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KARACHO INTERVIEW  
(1)11代目当主・千田堅吉さん
(2)11代目当主夫人・千田郁子さん
(3)修学院・佐藤あやこさん 
(4)修学院・伊藤ようこさん   
(5)修学院・嘉戸浩さん     
(6)修学院・野田たくまさん  
(7)四条烏丸・野村三奈さん 
(8)三条両替町・大橋利恵さん
時間が経つにつれて色々考えることが多くなった。

(K:嘉戸浩さん)

−唐長さんを知ったきっかけと、なぜ唐長に入ろうと思ったのかを教えてください。

K: もとは海外でグラフィックデザインの仕事をしていました。デザインや文様のことなど色々調べていくと、こういうもの(唐紙)に辿り着くんですよね。たまたま帰国したときに、知り合いに唐長に連れてきてもらったんです。すごく綺麗だなと思って、その後何度か足を運びました。

 

−デジタル(パソコン)とアナログ(手仕事)の違いに、ギャップは無かったのですか?

K: 逆にそのギャップがあるから面白いんですよね。パソコンでは出来ないものがここ(手仕事)にはある。だから惹かれました。手加減によって変わってしまう部分ですね。ずっとパソコンを使ってきたので、逆にその反動で手仕事をしてみたいというのもありましたね。

−大変だなぁと思ったことはありますか

K: 一枚二枚程度をするなら簡単に摺れてしまうんです。何も考えずに出来ますからね。でも時間が経つにつれて色々考えることが多くなったので、すごく難しくなってきましたね。今まで気にならなかったことに気付き始めてしまうんですよね。

−当主には何か言われたりしますか?

K: 全体的にすごく抽象的な部分が多いので、分かっていても分からない部分があります。自分では綺麗だなと思った色でも、微妙な違いで受け入れてもらえなかったり、考えすぎだと言われたり。赤色一つにしても、沢山ありますからね。赤だと思って作っても、これは朱だと言われたりね。

 

−大きな仕事をする前の事前準備、精神統一のようなものはしますか?

K: 精神集中は特にしないですね。それよりも集中できるような環境を作ります。仕事場の掃除とか道具を揃えるとか。音楽をかけたりもしますよ。

−唐紙を作っていて良かったなって思う瞬間はいつですか?

K: 僕達は実際に作って貼りにいったりもするんですよ。貼りにいって完成したところまでの一連の流れを見られるので、完成した時にお客様から唐紙を選んだエピソードを聞けたりそういった話をできるのがいいですね。

−本日はお忙しい中、有難うございました。

 

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